アパートに入居申し込みしたら連帯保証人と家賃保証会社を同時に求められました。なぜ連帯保証人だけではダメなのでしょうか。なんだか納得いきません。
連帯保証人と家賃保証会社の両方を要求するのは、大家が家賃滞納リスクを減らしたいからです。家賃保証会社が保証する範囲は家賃だけのことも多いですが、連帯保証人が保証するのは家賃だけではありません。家賃保証会社だけでは対応できない部分を連帯保証人に求めています。
「家賃保証会社と契約するのに連帯保証人を要求されるのが納得いかない」というかたは多いです。
近年は連帯保証人が支払えないケースも多いため、大家も家賃保証会社なしでは部屋を貸さなくなってきました。
大家は家賃滞納されると非常に大変
不動産賃貸業を営んでいる会社(いわゆる大家さん)のほとんどは、銀行から借金してアパートやマンションを買っています。入居者に家賃滞納されればローンの支払いが滞り、倒産してしまうことだってあります。
借地借家法という法律上、家賃滞納している入居者を追い出すのはとても大変です。裁判に訴えて追い出せたとしても6カ月程度かかりますし、追い出しても滞納された家賃を回収できないケースが多いです。
そこで「入居者が家賃を滞納することを前提に賃貸経営していこう」と考えて連帯保証人と家賃保証会社の両方を求める大家が多くなってきました。
連帯保証人だけじゃダメな理由は、連帯保証人が機能しないケースが多かったから
連帯保証人が素直に支払ってくれるとは限りません。連帯保証人になった人が貧乏で物理的に支払えない可能性もあります。
アパートやマンションを借りる時は賃貸借契約書を作り「毎月いつまでに○○円を支払います」という約束を交わします。でも、みんなが約束を守るわけではありません。
- 賃貸借契約をきちんと守らない入居者が多い
- 入居者が家賃を滞納したが、連帯保証人も支払う気がなかった
- 入居者が部屋をボロボロにして原状回復費を払わないが、連帯保証人が貧乏で支払えなかった
こんな事情があって家賃保証会社が生まれました。
連帯保証人が保証しなければ貸したくないですよね?
「うちの息子は無職ですがちゃんと家賃を払います。もちろん父親である私がちゃんと連帯保証人になります。私ですか?無職で貯金もありませんが」
こんな状態で貸せるわけないですよね。
連帯保証人になる予定の人が過去に債務整理していて金融ブラックなケースもあります。そんな場合は、信販系の保証会社を利用したいと思っている大家さんも多いです。
参考:債務整理すると借金の保証人にはなれないが賃貸物件の保証人にはなれる
家賃保証会社だけではダメな理由は、家賃保証会社が保証する範囲が限定されているため
家賃保証会社の保証範囲も限られています。家賃は全額支払う場合も原状回復費用の保証上限を設けていることが多く、入居者が部屋をボロボロにした場合などは、家賃保証会社だけでは賄えきれないこともあります。
連帯保証人は入居者の支払わなければいけない責任全てを被ります。しかし、家賃保証会社は保証範囲を限ったうえで保証契約しています。
- 入居者が部屋をボロボロにして原状回復費を支払わない
- 部屋に大量の荷物を置いて夜逃げした
- 入居者が部屋で亡くなった
こんな時は、大家は連帯保証人に請求することになります。連帯保証人が支払えずに債務整理してしまうケースも少なからずあります。
都市部は入居申し込みを一件断っても問題ない
都市部は賃貸物件の需要が高いので、入居申し込みを一件断ってもすぐに別の申し込みが入ります。
いわば、連帯保証人と家賃保証会社の両方を求めても賃貸経営していけるわけです。「儲けが少なくなってもリスクの少ない経営をしていこう」と考える大家が多いです。
両方付けられない入居者はどうすればいいのさ?
文句を言っても仕方ありません。
- 自分で不動産を買う
- 転職して年収を高くしたり、大手企業に勤める
- (たとえ割高でも)連帯保証人を求めない賃貸物件を探す
この3つのどれかでしょう。