引越し業者のスタッフも訓練を受けているとはいえ、万が一の事故がないとは限りません。
業者のスタッフだって人間ですから作業中に荷物を落としてしまうことはありますし、トラックのドライバーが全く悪くなくても交通事故に合う可能性はあります。
もしも荷物が壊れてしまった場合はどうなるのでしょうか?
保険で補償される
引越し業者は万が一の事故に備えて保険に加入しています。
補償は次の3種類に分かれます。
- 修理
→破損した荷物を引越し業者が預かり、破損個所を直します - 代替品と交換
→現在手に入らないものなら、同価格の代替品と交換します - 現金での弁償
→破損した価値を見積もって現金で弁償します
破損した荷物の価値は引越し業者側が決めます。補償内容に不服がある場合はしっかり伝えなければいけません。
食器は割れやすい
引越しでもっとも壊れやすいのが食器類です。引越し業者に破損の連絡をすると、担当者が家に来て状況を確認し、その後に補償額の話となります。
梱包を業者に依頼していれば「業者の梱包が悪く、運び方にも問題があった」となり、すんなりと補償されます。
問題になるのは、小物類の荷造りをユーザーが行う節約パックです。そこでは必ずと言ってよいほど「運び方が悪かった」or「梱包が悪かった」という2択が争われます。
この手の交渉はプロである相手方の方が圧倒的に場数を踏んでいますから、ユーザー側はついつい言う事を飲み込んでしまいがちです。しかし、できる限り強気にでなければなりません。
トラブル防止のために、荷造りする最中に『このように梱包した』という写真を撮って証拠を作っておくのがよいでしょう。
保険が適用されない荷物
基本的に破損した荷物は補償を受けられますが、なんでもかんでも保険が適用されて全額分が戻るわけではありません。
修理額が高額になるやすい一点ものの美術品や、極めて高額な品を破損してしまった場合、弁償額は『保険の上限』となります。
また、現金、有価証券、貴金属も適用外です。そもそも運んでもらえない可能性もあります。
荷物が紛失した場合はどうなる?
どの業者も保険を適用する条件に「荷物の紛失」が存在しています。しかし、荷物が紛失した場合に保険が適用されることは滅多にありません。
なぜなら「そもそも荷物があったのかどうか」という問題があるからです。荷物の紛失トラブルが起こる場合、大抵は荷物があったという証拠がありません。「最初から荷物がなかった=紛失したわけではない」ということになってしまいます。
あなたがどれだけ紛失を主張しても証拠がなければどうしようもありません。
荷物の紛失トラブルを防ぐためには、荷造りした後にダンボール箱に番号を振っておきましょう。作業開始前に業者のスタッフと確認するのです。
これで番号抜けがあった場合はすぐに分かります。
補償を受けられる期間は3か月以内
業者によりますが、保証期間は3か月です。
引越し業者の補償対象となるのは「引越し作業中に破損した荷物」です。
後になってからでは引越し作業中の破損かどうか分かりませんから、補償されにくくなってしまいます。その場では気付かなかったが後になって破損を見つけた場合も、すぐに連絡をいれましょう。