単身パックなどを除いて、基本的に引越し料金には定価がありません。初めて引越しする方は、「値切り交渉するのは気が引ける」と感じることが多いですが、定価のない商品に値切り交渉をするのは、一般的なことです。
賃貸アパートを借りるときにも、家賃交渉をする人はいますよね。引越し料金も、同じように相談してかまいません。
業者側も、値引きの相談があることを前提に、見積もりを出していることがあります。そのため、価格交渉をしないほうが損をする可能性もあります。見積もりを取った中で一番安い料金を出した業者でも、さらに安くなる可能性があります。
- 交渉の前提は、複数の業者の見積もりを取っておくこと
- 他社の金額は、事実を、条件とあわせて伝える
- 本命の業者は最後に呼ぶ。予算や希望額は、先に言わない
- 値引きの代わりに、サービスが減っていないか見積書で確認する
値引き交渉の前に、準備しておくこと
- □ 複数の業者から、見積もりを取る。概算は複数社、訪問は2〜3社が目安(複数の業者から見積もりを取る時に注意すること)
- □ 荷物の量と条件を、正確に伝える。情報があいまいだと、業者が見積もりを高めに出すことがある
- □ 希望日に幅をもたせる。日程や時間帯の柔軟性は、交渉の材料になる
- □ 荷物を減らしておく。見積もりの前に、処分するものを決めておく(荷物を減らす方法)
値引き交渉の進め方(5ステップ)
- 本命以外の業者から、先に見積もりを取る。相場をつかみ、比較する材料を集める
- 本命の業者は、最後に呼ぶ。先に取った見積もりの金額を、交渉の材料にできる
- 他社の金額を、条件とあわせて伝える。
- その場で決めず、返事の期限を伝える。
- 下がった金額と条件を、見積書に書いてもらう。
使える会話例
他社の見積もりを伝えるとき
「御社にお願いしたいと思っているのですが、他社さんは○○円の見積もりでした。荷物の量や作業の内容は、ほぼ同じです。もう少し近い金額にしていただくことは、できますか?」
他社の金額は、事実を伝えましょう。荷物量や作業時間が少し違う場合は、「ただ、荷物の量が少し違うかもしれませんが」と補足すると、公平な比較になり、業者も誠実に対応しやすくなります。
予算の都合を伝えるとき
「御社に、ぜひお願いしたいのですが、予算との兼ね合いで迷っています。○○円くらいになれば、前向きに検討できます」
「他社が安いから、下げてほしい」と直接言うと、担当者が気分を害して、交渉に応じてもらいにくくなります。「お願いしたいが、予算の都合で迷っている」という伝え方のほうが、担当者も社内で動いてくれやすくなります。
会社から引越し費用の補助が出るとき
「会社から、引越し費用の補助が○○円まで出るので、その範囲に収めたいのですが、難しいでしょうか?」
条件つきで、決める意思を伝えるとき
「○○円になるなら、今日、決めます」
この言い方は、実際に決める意思があるときだけ使いましょう。言ったあとで断ると、信頼を失います。
引越し見積もりで、即決を求められたとき
営業担当者の決まり文句に、「今決めてくだされば、○○円にします」「今決めてくだされば、○○のサービスをつけます」というものがあります。
この場合は、次のように返しましょう。
- 「後日返事をした場合の金額も、教えてください」
- 「ほかの業者にも見積もりを依頼しているので、比較してから決めます」
- 「家族と相談してから、お返事します」
後日返事をした場合の金額が変わるかどうかは、業者や時期によって違います。聞いて、比べてから判断しましょう。断り方については、引越し見積もりの断り方で、例文を紹介しています。
やってはいけない、NG行動
| NG行動 | 理由 |
|---|---|
| 予算や希望額を、先に伝える | 実際はもっと下がる余地があっても、その金額で決まってしまうことがある |
| 他社の金額を、実際より安く伝える | 営業担当者は、日々見積もりをしているため、嘘が見破られやすい。信頼を失う |
| 「他社が安いから、下げて」と直接言う | 担当者が気分を害して、交渉に応じてもらいにくくなる |
| 値引きだけを、強く何度も求める | とくに繁忙期は、業者から断られることがある |
| 下がった金額を、口約束で済ませる | 当日の作業担当者に伝わらず、トラブルになる。必ず見積書に書いてもらう |
午前・午後・フリー便で、料金は変わる
引越し料金は、時間帯によって変わります。一般に、午前便が最も高く、午後便、フリー便の順に安くなる傾向があります。
営業担当者から「時間の指定がなければ、安くします」と言われることがあります。このとき注意したいのは、フリー便は開始時間が決まっておらず、夕方になってから作業が始まることもあるという点です。当日の予定に余裕があるかを考えて、判断しましょう。
時間指定がない場合の料金も、聞いておくと比較しやすくなります。くわしくは午前と午後で引越し料金はどのくらい違うのでしょう?をご覧ください。
引越し料金以外も、交渉できる
不用品処分、エアコンの移設、電気工事など、引越し関連のサービスも、値引きの相談が可能なことがあります。
注意したいのは、引越し業者を通して頼んだ工事の費用には、業者の取り分が上乗せされていることがある点です。工事は、別の業者の見積もりと比べることで、さらに安くできる場合があります。
値引きしてもらったら、見積書で確認する
値引きしてもらったら、次の点を見積書で確認しましょう。
- 値引き後の総額が、書かれているか
- 値引きの代わりに、サービスが減っていないか(ダンボールの枚数、作業員の人数、オプションなど)
- 追加料金が発生する条件が、変わっていないか
- キャンセルや日程変更の規定
見積書の見方は、引越し見積もりの取り方ガイドで解説しています。
値引きの目安について
値引き額は、時期、距離、荷物の量、業者によって、大きく変わります。引越し業者のコラムには、数千円から、家族の引越しや長距離で、1〜3万円ほど値引きが出ることもあると説明するものがあります。ただし、これは保証されるものではありません。
3月・4月の繁忙期は、業者のスケジュールに余裕がなく、値引きに応じてもらいにくくなります。繁忙期の動き方は、3月に引越す場合の料金の抑え方をご覧ください。
【値引き交渉の注意】営業担当者は、困らせすぎない
引越し業者の営業担当者も人間です。値引き交渉で、あまり困らせないほうがよいでしょう。とくに繁忙期は、「このお客さんは、対応が大変そうだ」と思われると、業者側から断られることもあります。
丁寧で、誠実な態度で、相談するのがいちばんです。
値引き交渉をするなら、複数社の見積もりをまとめて取る
値引き交渉を有利に進めるには、複数の業者の見積もりを、まとめて取れる一括見積もりが便利です。1社ずつ依頼するより、手間が少なく、比較しやすくなります。
電話が不安な方は、連絡先を入力せずに料金を調べる方法もあります。
引越し侍やSUUMO引越しは、営業電話に悩まされにくいように作られたサービスです。SUUMO引越しの詳細は、電話番号の入力がない「SUUMO引越し」のデメリットとは?をご覧ください。
よくある質問
Q. 値引き交渉は、失礼になりませんか?
いいえ。引越し料金に定価はなく、値引きの相談は一般的です。丁寧に、誠実に伝えれば、失礼にはなりません。
Q. 他社の金額は、どこまで伝えていいですか?
事実の金額を伝えるのは問題ありません。ただし、金額だけでなく、荷物量や作業内容の違いも補足すると、公平な比較になります。
Q. 予算は伝えたほうがいいですか?
先には伝えないのがおすすめです。予算を伝えると、その金額に近い見積もりになってしまうことがあります。聞かれたら、「何社かと相談して、一番安いところに決める予定です」と答えましょう。
Q. 値引き交渉して、断られたらどうなりますか?
断られても、見積もりが無効になるわけではありません。ほかの業者の見積もりと比べて、決めましょう。
Q. 繁忙期でも、値引きしてもらえますか?
3月・4月などの繁忙期は、値引きに応じてもらいにくくなります。日程や時間帯を柔軟にしたり、荷物を減らしたりするほうが、効果が出やすい場合があります。
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まとめ
- 引越し料金に定価はなく、値引きの相談は一般的
- 複数社の見積もりを取り、本命の業者を最後に呼ぶ
- 他社の金額は、事実を、条件とあわせて伝える。予算は先に言わない
- 値引き後は、サービスが減っていないか、見積書で確認する
